宋文洲さん

ソフトブレーンの創業者でおなじみですよね。知人に彼の会社のNo2をやっていた人がいたので前に話を聞いたことがあります。宋さんは最後は中国に戻って国民の為に国政をやりたかったのだそうです。しかし中国共産党政権がこんなに続いておよそ民主化とは程遠い。本人相当落ち込んで希望が見出せなくて少し自暴自棄になっていた時期もあったそうです。少し発言や行動がブレてエキセントリックな時期も確かにありました。

でも今はまた立場を変えて実に鋭く中国と日本の両国を捉えているようです。何日か前の文章ですがとても現実を反映していると思いますので転用します。

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1.論長論短 No.144  政治家と国民は必ず釣り合う      宋 文洲

中国で買い物するのは大変です。100元の品物を交渉して50元で買ったら、友人は数メーター先の店舗では30元で買えました。高いか安いかはまったく分からず買い物嫌いな私はますます買い物が嫌になります。

近所の花屋に行ってみるとさらに驚きました。客の目の前でおばさんが緑のスプレーを葉っぱにかけます。ガソリン系の着色剤なので臭いうえ、明らかに植物にも人体にもよくないのですが、見た目をよくして売ってしまいたいがためにやっています。

信号があっても守る歩行者など居ません。田舎のおじさんがダンボールや建築廃材を山ほど三輪車に積み上げ、赤信号を正々堂々横断しているではありませんか。ドライバーがブーブーと鳴らしても動じる様子はまったくありません。

中国製のおもちゃや家具はすぐ壊れます。決して技術力が足りないからではありません。消費者の立場に立って品質をチェックしたり、工程を見直したりしていないからです。見た目で売れてしまえば後は知らないという態度が原因です。

自分が中国人なので自国を軽蔑するはずはありません。しかし、冷静にわが国の国民を観察してみると後進国である全ての理由はほかでもなく、我が国民自身にあると思います。短期利潤の追求、消費者権利の無視、順法精神の欠如、モラルの低下・・・経済成長が謳われているが、市民の心の平和と幸福感にはまったく繋がっていないのです。

中国の体制や政治を批判する日本のマスコミの多くは中国への悪意はないと思います。一種の正義感、中国国民のために主張している正義感に燃えている場合もあります。いわばイデオロギーの世界です。

私も決して今の体制を擁護することができません。今の政治家を尊敬している訳もありません。しかし、多くの同胞の行動をみているとこの国の統治は大変だと思います。この国の統治者達はよくやっていられるなと感心するほどです。

知識も教養もモラルもない人達。彼らの統治をどのように行なえばいいでしょうか。自由選挙は素晴らしいと思いますが、3元、5元の現金をあげればあっさり票を売ってしまいそうな人達ばかりではありませんか。

政府は不誠実ですが、では人民は誠実でしょうか。私は決して中国人民が誠実だと言えません。鶏と卵の関係の中でも、国家を前進させようとしたら、誰かが先に低レベルの循環から脱出しなければなりません。

日本は運よくそのような低レベルから脱出しました。しかし、今別のレベルで足踏みしています。政治家を罵倒したうえ、総理大臣と大臣もコロコロ替えます。中国とレベルは違うのですが、罵倒された政治家は国民と必ず釣り合っていることに気付いてほしいものです。

(終わり)

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お前呼ばわりする日本の大臣や国会議員が多いのは国民の民度が落ちている証拠なんでしょうね。これも釣りあっているのでしょうね。嘆かわしいですが。。。