サービスレベルの大改善その2

前回モラルも下がってサービスレベルの悪いCS本部に無理やり行かされ途方に暮れた中にも改善の糸口を見つけた事を書きました。昼間に1万ビジーコールを生みだしていたのがたったの550人のお客様しかいない事が分かったからです。
サービス分野はヒトモノカネを投入すればサービスレベルは容易に上がります。しかしあのケチで有名な黒パソの会社。そんなにたやすくリソースの増化などとても適いません。何しろインストールベースはどんどん増えているのにその予算はどんどん削られていくからです。
そこで考えたのは人間がやらなくてはならない事は純粋にトラブルの原因を突き止めるところに集中して、シリアル番号を尋ねたり、その結果過去の履歴を引っ張る作業は全てコンピュータに任せようと。。。
これはCTI(Computer Telephony Integration)と呼ばれ分かりやすい例えですとお客様が電話をしてきた時にその電話番号からマシンを特定してしまう。もしくはシリアルをお客様が待っている間に入れてもらう。もしくはしゃべってもらって音声認識で特定してしまう。そして電話が繋がったと同時にお客様の履歴がエージェントのPCにポップアップしてしまう仕組みです。その為にはそれまでに使っていたNrthern TelecomのPBXでは実現が難しいので最新のLucent Technology(今のAvaya Technologies)のPBXにCS本部だけ変更させていただきました。これはUSのヘルプを借りました。
そしてシステムの作りこみです。
もう一つはモラルや人心が大幅に下がっていたので毎QにAll Hands Meetingを開いて250人全員を集めて偉そうに方針をしゃべるのはほどほどにして後はビヤバストやサンドイッチでFunFunFunでした。それと前のQで貢献した上位20%のメンバーは受賞理由を全員の前で読み上げ前に出てきてもらって賞状と賞金(中は1万円しか入っていないのですが)の授与式を毎回行いました。毎回やると同じ人になりそうなのですがこれは全員分のエクセルを用意して(まあ持ち回りに近いのですが)ほとんど全員にまんべんなく行きわたるように工夫をして昇進、昇給、昇格、社長賞、本部長賞、Stock Option等々をタッチできる賞を駆使しました。
それとシステム、モラルが向上しても人が少ないのは間違いないのは事実ですので電話がかかりにくいのはある程度捨ててその代わり一旦繋がったら修理までのスピードを最短にすることをKPIにしてそのために各部のプロセスをどうチューンするかに集中しました。
ログを入れるのも主だった理由はスクロールメニューにしたりFAQを整備したりとにかく判断や後処理に時間がかからないようにしました。
そうこうして1年は経った頃でしょうか。中にいる私達はとてもまだまだ褒められたサービスレベルではないと思いながらも外部のアンケートによる勝手格付け機関5社、日経ビジネス日経コンピュータ日経パソコン、マルチメディア総研、JD Powersの5社全てが顧客満足度の1位に推していただきました。この時は本当に嬉しかったですね。
基本的に電話がかかって悪いところを診断してパーツを特定して翌日の9時過ぎには届くようにして、同じくサービス要員も9時過ぎには到着するようにして。。。そうしてガッチャンコして10時から作業をやってその場で直してしまう。パーツがなければ修理もできませんし、間違ったパーツを送ったらアウトです。しかも一回に送るパーツは平均1.5個と決められています。要員も都合がつかなかったりパーツが届かなかったり届いても壊れていたら全てアウトです。ここも指標で測っておりました。

まあこんな形で5社全部で顧客満足度の1位を取ったのですがそこにはまた次の難題が待ち構えていたのであった。。。
顧客満足度総ナメよりも経理が出した日本のCS本部のオペレーション費用が依然世界で一番高いというレポートが出て本社のエクゼクティブの目は皆そちらに行ってしまったことでした。(当たり前と言えば当たり前なのですがね)
つづく